銀行カードローンが自主的な総量規制を開始!2019年現在の規制内容をまとめました

更新日:2019/05/31
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総量規制のイメージ銀行カードローンは2016年まで、総量規制の対象外いわゆる年収に関わらず融資を受けられるとして、高額融資が受けやすいカードローンでした。

しかし、2018年8月に金融庁から発表された「銀行カードローンの実態調査結果」により、2017年以降ほとんどの銀行カードローンで融資額の上限に「年収の2分の1まで」または「年収の3分の1まで」という制限がもうけられていたことが明らかになりました。

今回は、その原因となった「銀行カードローンの過剰貸付問題」に焦点をあてながら、銀行カードローンと総量規制に関する最新情報についてくわしくまとめていきます。

総量規制とは

総量規制の内容の図解

まず、総量規制とは一体何なのか。

すでに知っている人も多いと思いますが、簡単にお話します。

総量規制とは、消費者金融や信販会社のような預金事業をおこなっていない金融機関(以下、貸金業者)に適用される「改正貸金業法」の条文のひとつです。

その内容は、「貸金業者が顧客一人あたりに貸し付けできる金額について、その上限を顧客の年収の3分の1までに制限する」というもの。

年収300万円の顧客に対しては100万円まで、年収450万円の顧客に対しては150万円まで、というように、貸金業者らの貸付額を顧客の年収に応じて制限することで、一人でも多くの国民を自己破産のリスクから守るのが、総量規制の主な役割です。

銀行カードローンは総量規制の対象外

銀行のビルのイメージ

貸金業者のローンとは違って、銀行カードローンには総量規制のような貸付額の制限はありません。

その理由は、銀行カードローンに適用される「銀行法」という法律に貸金業法の総量規制にあたる条文がないからです。

そもそも銀行カードローンは貸金業者と適用される法律が違うため、総量規制の影響を受けず、年収の3分の1を超える融資にも対応しています。

消費者金融のローン 貸金業法にもとづく(総量規制の対象)
信販会社のローン 貸金業法にもとづく(総量規制の対象)
クレジットカード会社のローン 貸金業法にもとづく(総量規制の対象)
銀行のローン(カードローン含む) 銀行法にもとづく(総量規制の対象外)

ただし、これはあくまでも法律上のお話…。

実際のところ、2016年以降は銀行カードローンを取り巻く環境が大きく変化し、銀行カードローンにも総量規制を適用するべきだという動きが盛んになってきました。

そのため、いくら銀行カードローンといえども、現状では顧客の年収をまったく無視した額の融資は貸し付けられない方向に規制が変化してきています。

◆ちなみに!◆

銀行カードローン以外にも、次のようなローンは貸金業法以外の法律にもとづいているので、総量規制の影響を受けません。

信用金庫のローン 信用金庫法にもとづく
信用組合のローン 中小企業等協同組合法および協金法にもとづく
労働金庫のローン 労働金庫法にもとづく
JAバンクのローン 農業協同組合法にもとづく
JFマリンバンクのローン 水産業協同組合法にもとづく

貸付限度額は年収の1/2か1/3まで

2016年から2017年にかけて、「銀行カードローンの過剰貸付」が社会問題となりました。

金融庁の発表では、総量規制対象外の銀行カードローンであっても、2019年現在ではこの問題の影響を受けて顧客の年収の2分の1または3分の1を超える貸し付けを規制し始めていることが明らかになっています。

※出典:金融庁2018年8月22日「銀行カードローンの実態調査結果について」

どのような経緯でこの規制が作られたのか、時系列順に確認しておきましょう。

2016年 自己破産者が13年ぶりに増加した

自己破産の申立件数の棒グラフ

2000年代前半は、当時サラ金と呼ばれていた消費者金融の利用者のなかからたくさんの自己破産者が出ていて、それが社会問題となっていました。

しかし、総量規制の制定やその他の政府の働きかけが功を奏して消費者金融カードローンの貸付残高は年々減少していき、それにあわせて自己破産件数も2003年を皮切りに右肩下がりになっていました。

それが再び増加傾向になって戻ってしまったのが、2016年のことです。

ちょうどその頃は、事業が縮小傾向にあった消費者金融に代わって銀行各社のカードローン事業が急成長し始めた時期でした。

当時は、自己破産者の増加が実に13年ぶりの出来事だということで、マスコミなどが広くこの問題を取り上げました。

同年 日弁連が銀行の過剰貸付を政府に訴える

最高裁判所が自己破産者の13年ぶりの増加を発表してから間もなく、日本弁護士連合会(以下、日弁連)は、この原因が銀行カードローンの過剰貸付にあるのではないかとみて政府に「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」を提出しました。

日弁連の意見書の概要は、次のとおりです。

日弁連の意見書の概要

1.金融庁は、「主要行等向けの総合的な監督指針」および「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」のなかで、総量規制と同等の内容を明記するべきである
2.金融庁は、銀行などが総量規制と同等のルールを守って過剰貸付をしないように監督していくべきである
3.国は、消費者金融がおこなう保証事業に対しても総量規制が適用されるように貸金業法を改正するべきである

ようするに、ひと言でいえば、「銀行カードローンによる過剰貸付に歯止めをかけるために、銀行に対しても総量規制とおなじような制限をもうけるべきだ」という訴えです。

事実、当時の銀行は、国内の企業向け融資で伸び悩んでいたこともあって個人向け融資にかなり力を入れていました。

その結果、銀行カードローンの貸付残高は2010年から急激に増えていたため、政府としては日弁連のこのような訴えを無視するわけにはいきませんでした。

そして、金融庁や全国の銀行で組織される全国銀行協会などが総出となって銀行カードローンの規制を強化することになったのです。

 

2017年以降 銀行カードローンの自主規制が強化

2017年に入ると、一部の銀行が銀行カードローンの貸付額に上限を設ける自主規制をはじめました。

2019年現在では、全国の108の銀行のうち約7割(71行)がカードローンの貸付額に「年収の2分の1」または「年収の3分の1」という上限を設けるにいたっています。※

※出典:金融庁2018年8月「銀行カードローンの実態調査結果について」

具体的にどの銀行がいくらの制限を設けているのかという情報までは解禁されていませんが、産経ニュースの2017年11月14日の記事によると、3大メガバンクについては貸付額の上限を年収の3分の1までに自主規制していることが明らかになっています。

つまり、銀行カードローンは総量規制の対象外ではありますが、現状はその実総量規制とあまり変わらない条件まで自主規制が強まっているということになります。

現状、銀行と貸金業者の貸付額には大きな差はない

笑顔で「コチラ」と言っている先生

ここまで、銀行カードローンの貸付額の自主規制について概要をまとめてきました。

借りられる額だけを比較すれば、今や銀行カードローンと貸金業者のカードローンとのあいだに大きな違いはありません。

両者の違いを強いて挙げるとすれば、貸金業者はその全体で貸付額を顧客の年収の3分の1まで制限しなければならないのに対して、銀行の自主規制はあくまでも銀行単位での取り決めであるということです。

そのため、複数のカードローンを利用する場合には、貸金業者で2社以上の借入先を探すよりも複数の銀行カードローンを併用するほうが合計してより多くの金額が借りられると考えておくのが妥当です。

銀行カードローン 1行での借入金額が、年収の2分の1または年収の3分の1までに制限される
貸金業者カードローン すべての貸金業者からの借入総額が、年収の3分の1までに制限される

銀行で「年収の3分の1超」が借りれる3つの方法

ポイントのイメージ

最後に、2019年現在でも銀行から年収の3分の1を超える金額が借りられる方法についてまとめておきます。

まとまった融資を希望する人はぜひ参考にしてみてください。

1. 一部の銀行カードローンで借りる

日本の3大メガバンクや一部の銀行を除き、ほとんどの銀行カードローンでは現在でも年収の2分の1までなら融資を受けることができます。

「銀行全体で」ではなく、各行でそれぞれ年収の2分の1まで借り入れできるため、他社借り入れがある方でも借入件数が1~2件程度であれば、審査次第ではまとまった融資が受けられます。

銀行カードローンの審査基準については下記ページにくわしくまとめてあります。

あわせてチェックしてみてください。

 

2. おまとめ専用ローンで借りる

おまとめ専用ローンとは、複数の金融機関での借入金を一本化するために用意されたローンです。

一本化によって得られるメリットは、金利の引き下げや、それに伴う支払利息の減額、返済管理の単純化などなど。

基本的には返済専用ローンという扱いなので、一定の返済能力が認められれば高額融資がもらいやすいです。

貸金業者のカードローンやクレジットカードのキャッシング枠などに複数の借入金がある人は、この方法で借入状況を見直してみてはいかがでしょうか?

3. 目的別ローンで借りる

目的別ローンとは、あらかじめ決められた資金使途にのみ活用できるローンです。

代表的な住宅ローンや自動車ローンなどのほかにも、次のようなさまざまなサービスがあります。

目的別ローンの例
・住宅ローン
・自動車ローン
・教育ローン
・ブライダルローン
・デンタルローン
・シニアローン
・リバースモーゲージ
・不動産担保ローン

目的別ローンの特長は、基本的には「証書付き貸し付け」での一回きりの融資であるため、カードローンよりも高額融資が受けやすいという点です。

特に、住宅ローンや不動産担保ローンのような有担保型のローンでは年収の倍以上の融資が受けられるケースも少なくありません。

資金使途が明確なのであれば、目的別ローンの活用もおすすめです。

まとめ

かつては大手消費者金融や信販系のカードローンよりも高額融資が受けやすいといわれていた銀行カードローンにも、時代の流れとともに総量規制に近い貸付額の規制がかかるようになりました。

2019年現在、メガバンク3行は、カードローンの貸付額の上限を顧客の年収の3分の1までに制限しています。

その他の都市銀行や地方銀行のカードローンでも年収の3分の1から2分の1を超える借り入れは難しくなっているので、銀行カードローンに高額融資を期待する方は気をつけてくださいね。

カドロンでは、今後も銀行カードローンと総量規制の関係性についての最新情報をまとめていきます。

どうぞ、お見逃しなく!

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