奨学金と教育ローンの違いとは?どちらがお得??

更新日:2018/06/05
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大学進学や資格取得など教育資金をサポートする面で大きな役割を果たしているのが、「奨学金」「教育ローン」です。

どちらも教育を受けるために必要なお金を借りるという意味では同じですが、金利や申込条件に加え、返済義務を負う人というのが異なります

「奨学金」と「教育ローン」は、どちらか片方を選択しなければならないというわけではなく、併用することも可能ですが両方の特徴をよく理解し、利用することがとても重要です。

この記事では、両制度についてそれぞれの特徴やメリット・デメリット、またこれら制度の返済について重要なポイントをご説明します。

「奨学金」「教育ローン」の違いとは?

カードローンに申し込む学生アルバイト「奨学金」と「教育ローン」は高校や大学進学が困難だったり、より志望にあった道に進んだりするための大きな支えとなってくれます。

一般的な(クレジット)カードローンよりも金利が安く、また奨学金であれば在学中は返済義務が緩和されるなどの一定の配慮がなされています。

奨学金と教育ローンの大きな違いは、提供する企業・団体が異なる点にあります。

奨学金として最も有名なのは、日本学生支援機構(JASSO)が運営するものです。
奨学金制度はJASSO以外にも公的機関、民間機関問わず複数ありますが、本稿ではJASSOの奨学金制度で説明をすすめさせていだきます。
※参照:独立行政法人 日本学生支援機構
余談ですがJASSOの奨学金に落ちても、他の団体から認定を受けられることもあります。

1つの団体だけで考えるのではなく、複数団体の奨学金制度を調べてみることをおすすめします。

閑話休題。

JASSOがおこなう奨学金制度には無金利の「第一種奨学金」と、利息付の「第二種奨学金」があることで知られています。

一方で教育ローンは種類が非常に豊富で、公的機関である日本政策公庫が提供する「教育一般貸付(国の教育ローン)」や、民間企業である銀行などの金融機関が提供している教育ローンで分類するのが一般的です。

奨学金と教育ローンはどんな事に使えて、お金を返すのは誰になる?

奨学金も教育ローンも、いずれも使途が定められた目的別ローンになります。

大学などの入学金・授業料や教材の購入費といったの大学費用にとどまらず、下宿費や食費といった生活費、さらにはサークル活動費などの学校生活をおくる上で必要な資金に利用できます。

奨学金と教育ローンの大きな違いは「誰が返済義務を負うのか」という点です。

奨学金の場合は、返済義務を負うのはお子さん(学生さん)本人です。
卒業後に自分で奨学金を返済していかなくてはなりません。
また、奨学金を借りているという事実は信用情報機関に登録されるので、返済開始したら遅延なく返済することが大切です。

ガッツポーズの個人事業主一方で教育ローンの場合には、返済義務を負うのは保護者(両親)です。
教育ローンの場合には、融資の翌日から金利が発生します。
また、当然のことながら信用情報機関に教育ローンを組んでいるという事実が登録されます。
教育ローンは総量規制対象外ではありますが、新たにローンを組む場合、審査が通らない可能性もあります。

奨学金と教育ローンの金利はどうなっていて、いつから融資は受けられる?

ローンをする際、特に重要なのが金利です。

金利が高ければ高いほど、将来の返済総額はもともとの借入額と比較して高額になります。

金利で最も優れているというより、金利がかからない唯一の存在であるのが第一種奨学金です。

元本のみを返済すればよいということになるため将来の負担を最小限度にとどめることができます。

次に優秀なのが第二種奨学金です。

この場合、比較の対象となるのは公的な教育ローン(日本政策公庫の教育ローン)です。

第二種奨学金の金利は最大で年利3%とされていますが、2018年5月時点での利率は0.23%(利率固定方式)または0.01%(利率見直し方式)となっています。

なお、いずれも基本月額に対する利率で増額申請した場合は、増額部分に異なる金利が適用されることになります。

一方で日本政策公庫の教育ローンは年利1.76%(固定金利)です。

したがって、第二種奨学金と国の教育ローンを利率のみで比較すると第二種奨学金のほうが優れているといえます。

笑顔の先生ただし、奨学金が貸与されるのは入学後であることが多いので、入学前に必要な受験料や入学金などの支払いには充てることはできません。

日本政策公庫の教育ローンの場合にはいつでも申し込みができ、申し込みから20日程度で入金されるため、入学時の資金需要に対応できるのは教育ローンしか選択肢はないということになります。

また民間の金融機関が提供している教育ローンは、各業者により金利は様々なですがいずれも奨学金や日本政策公庫の教育ローンよりも高めです。

例えば楽天銀行のカードローンの金利は、年利3.9%(固定金利)または年利3.214%(変動金利)となっていますが、楽天銀行の提携校であると特別金利が適用されます。

楽天銀行に限らず志望校が教育ローンの提携校になっている場合があるので、民間の教育ローンを利用する際は、そうした対象であるかを調べてみるのが良いかと思います。

ひとことポイントのイメージ

数値だけみると、たった数%の僅かな違いにしか感じられませんが、借入れ金額が大きいので優遇措置の有無がトータルコストで大きな差を生む要因となります。

各制度が持つメリットは、できるだけ最大限利用することで、その後の計画を楽にすることがでできますよ!

ここまでの奨学金と教育ローンの違いを簡単な表でまとめてみました。

  奨学金 教育ローン
返済者 学生本人 保護者
貸付方法 毎月定額振込み 一括振り込み
金利 第一種は元本返済のみ、第二種は在学中はかからない 借りた翌日からかかる
返済開始日 基本は卒業後からだが、在学中からの繰上げ返済可能 借りた翌月から開始

使途は同じでも、借り方や返し方など違いがあることがわかります。

奨学金と教育ローンの申し込み方法と審査基準は?

それでは実際の申込みはどのようにおこなっていくのでしょうか。

奨学金と教育ローンでは運営主体が異なるため、申し込み窓口がそれぞれ異なります。

奨学金の場合

JASSOの奨学金の場合には、在学している学校を通じて行います。

その際必要事項に同意をし、かつ、保証制度の選択(機関保証制度か人的保証制度か)や利率の算定方法の選択(利率固定方式か利率見直し方式か)を行います。

また申込をおこなう奨学金は、第一種奨学金のみか、第二種奨学金でもよいのか、といった内容についても選択をおこないます。

なお、奨学金は一種・二種両方の併用もし融資額を増やすことができるものの、貸与終了後の返還金も大きくなるので、片方の場合はもちろんですが、併用の場合は、よりしっかりした返済方法を考えておく必要があります。

2つの奨学金制度のうち、より審査が厳しいのは無金利の第一種奨学金です。

審査基準として重要なポイントは以下の通りです。

奨学金審査のポイント

  • 学業成績が優秀であること(過去の通知表の成績など)
  • 家計が支援を必要とする状況にあること

一般にローンというと返済能力が重視され、つまり家計が安定しているほど審査に通りやすくなります。

ところが奨学金(や日本政策公庫の教育ローン)は、支援を必要としている状況にある家庭を援助することが目的であるため、家計に余裕のある人は奨学金の審査においてはマイナスになります。

また奨学金の対象となるのは国公立大学に限らず、私立大学や高等専門学校、短大など幅広く利用することができます。

教育ローンの場合

日本政策公庫の教育ローンを利用する場合には、インターネットなどを通じて直接申し込みます。

こちらも公的なローンということで、経済的に困難な状況にある人々が審査において優遇されます。

例えば利用条件の一つとして「世帯年収の上限設定」があります。

子ども1人世帯の場合、世帯年収790万円(所得換算で590万円)以下であることが求められ、さらに勤続年数や営業年数が短いと貸付限度額が緩和されたり、返済期間の猶予があったりと経済的に不安定な家庭は優遇措置の対象になります。

なお、奨学金と違って子ども本人の学力は審査においては考慮されません。

一方で銀行などの金融機関の教育ローンの場合、審査基準は一般的なローンに準じたものになります。

例えば収入の上限設定はなく、むしろ安定して継続した高収入があればあるほど審査に通りやすくなります。

また子どもの学業成績も考慮されず、もっぱら保護者の方の返済意思や返済能力をもとにして審査が行われます。

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奨学金と公的なローンは、銀行などの民間企業・団体が提供する教育ローンと違い、経済的に困難な状況の人を救済する目的があるので、通常の審査方法とは異なっています。

申込みの際は家庭の状況や募集条件についてしっかりと把握することが大切です!

奨学金は高い学費がかかる場合にメリットあり!

奨学金は金利が低いことに加えて、借りられる総額は教育ローンよりも多い場合がほとんどです

そのため、住んでいる都道府県外の大学や、私立大学など高い学費がかかりそうな場合においては、奨学金を利用することで金利負担を減らすことができ、自分の目指す道を実現することできるでしょう。

また、返済義務者が子ども本人ということなので、保護者の方が老後資金を工面するうえではプラスに働きますが、奨学金の(連帯)保証人になっている場合には、子どもが債務不履行になった場合には、代わりに返済する義務を負うことになります。

しかし、JASSOの奨学金を利用している場合、毎月支払われる奨学金から保証機関の保証料が差し引かれた額で入金されており、本人以外の連絡先として届け出は必要ですが、連帯保証人になることはありません。

なお、JASSO以外の詳しい制度については、各奨学金運営団体にお問い合わせください。

入学金から支援を受けるなら、教育ローン利用がベスト

教育ローンのメリットは奨学金と違って、好きなタイミングでいつでも申し込めます。

受験料や入学金など早期の支払いが必要なものに利用した場合は、教育ローンを選択することになります。

奨学金は毎月〇万円というように月ごとに支給されますが、教育ローンの場合は申し込みから20日程度でまとまった金額が振り込まれます。

奨学金は子供が返済するのに対し、教育ローンでは保護者が返済義務を負います。

そのため、子供自身の将来設計に影を落とすということがないのもメリットといえます。

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教育ローンは総量規制の対象外になっていますが、申込みから融資決定までに時間がかかるので、余裕をもった申込みが必要です。

もしも、入学金だけがどうしても間に合わないという場合は、一時的な手段としてカードローンを頼っていいかもしれませんね。

返済計画はしっかりと!金融ブラックを避けるために

悩む学生アルバイト「教育資金の糧となる」という意味で広く知れ渡っている「奨学金」と「教育ローン」ですが、その性質やリスクについて理解し、無理のない返済シミュレーションを行うことが大切です。

近年、奨学金の返還をめぐっては、「返済することが難しい」と感じたり、実際に返済ができないという人が増えたりしていっているようです。

仮に返済がストップしてしまうと、信用情報に傷がつきいわゆる「金融ブラック」という状態になってしまいます。

こうした背景には、多くの人々は教育に関するお金の問題についてよく理解しないまま、債務者になっているというのがあり、どう考えても好ましい状況ではありません。

このような状況に陥ってしまう前に「返還期間の猶予」や「減額返還」といった措置を奨学金では取ることができます。

このように返還に困窮する人がいる半面、余裕をもって返済することができるといった人もいるかと思います。

そうした場合は「繰り上げ返還」をすることで、長期返済によるリスクを回避するとともに、利息を節約することができます。

とくに第二種奨学金利用者は、この方法をとることができるのであれば、積極的におこなっていくのが良いかと思います。

制度をうまく活用することで、取り返しのつかない事態におちいることは防げることでしょう。

また早い段階から教育資金準備の一環として、「学資保険」などの契約しておいてもいいかもしれません

契約内容は保険会社によって異なりますが、子供の将来を見据えるとともに、万が一に備えて準備しておくことが大切ではないでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか。

教育資金を奨学金や教育ローンを適切に利用することで、子供の未来が拓けるのは確かです。

ただし、いずれの制度を利用するにしても、子供の将来または保護者の老後設計に負荷がかかる可能性もあるので、なるべく負担(利子負担)が軽く、無理のないものを選ぶことが重要です。

昨今の経済情勢では必ずしも無事に返済を行うことは簡単ではないということを踏まえ、申込み前にしっかりと内容を把握し、返済イメージを描いてみるようにしてください。

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