元クレジットカード会社の社員からみた審査の中身とは【体験談】

更新日:2018/01/30
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クレジットカード会社はカードの申し込みがあると審査を行なって、カード発行するかどうかの判断をします。

クレジットカードは後払い方式なので、カード会社には未払いのリスクが発生するため、返済能力を判断するため審査を行なうのです。

初めてクレジットカードを申し込む場合は、どんな審査が行われているのか不安に覚える人も多いでしょう。

今回は実際に審査担当をしたことがある経験を元に、クレジットカード審査の仕組みや注意点をご紹介しましょう。

クレジットカード会社の審査判断の基準と方法

クレジットカード会社が審査をするのは、カードを発行した後できちんと遅れずに支払ってもらえるか確認するためです。

そのため返済能力があるかどうかを調査することになりますが、その方法にはいくつかあります。

過去の利用実績で判断する

オペレーターのイメージ

もし、あなたがあまりよく知らない人にお金を貸してくれと頼まれたら、普通は断るでしょう。

それは返してもらえるかどうかわからないからですが、クレジットカード会社は立替払を商売にしているので、積極的に貸すことを考えます。

そのための調査方法として最も信頼できるのは、過去にクレジットを利用してきちんと支払をしたという実績です。

申込書に記載されている年収は自己申告なので裏付け資料がなく、実際に利用した情報が最も信頼できるのです。

このクレジット利用履歴は「クレジットヒストリー(クレヒス)」と呼ばれていて、個人信用情報機関に登録されている情報から判断します。

個人信用情報機関にはすべてのクレジットカード会社の会員情報が登録されているので、自社以外のクレジットヒストリーも確認することができます。

クレジットカード会社が加盟している個人信用情報機関には、クレジット系のCICと消費者金融系のJICCがあります。

そのため、クレジットだけではなく消費者金融会社を利用した記録も参照できます。

クレジットカードの利用枠で審査が違う

クレジットカードイメージ

同じクレジットカードの審査でも10万円の利用枠の一般カードと100万円のゴールドカードでは審査基準が違います。

あまり知らない人でも小銭を貸すことにはそれほど抵抗ありませんが、1万円を貸すときにはためらうのと同じです。

初めて申し込むときや審査通過に自信がない場合は、一般カード(普通カード)に申し込みしましょう。

一般カードではカード利用枠は「10万円~100万円」というように、幅広く設定されています。

一般的には30万円~50万円が初期設定となりますが、クレジットカード会社はなるべく多くのカード会員を獲得したいので、減額してでもカードを発行します。

減額してカードを発行したという経験は、元審査担当者であれば普通のことです。

つまり、30万円の利用枠では不安があるという申込者でもすぐに断らず、10万円に減額発行して様子を見るのです。

カード利用枠の設定が「30万円~100万円」のクレジットカードよりも、最低利用枠が10万のクレジットカードが審査を通過しやすいのはそうした理由があります。

なお、プラチナカードやブラックカードといったいわゆるステータスカードは、審査ではなく招待による入会方法しかないので、減額でカード発行するというレベルではありません。

クレジットカード会社の系列で審査基準が違う

クレジットカード会社は系列で分類することができますが、その系列によっても審査基準に違いがあります。

最も審査が厳しいと言われているのが、日本国内で銀行系と呼ばれているクレジットカードや、ブランドとしてのステータスが高いクレジットカードです。

さらに信販系、流通系、消費者金融系の順に審査難易度が低くなります。

銀行系カード 三井住友VISAカード、JCBカード、MUFGカードなど
信販系カード オリコカード、ジャックスカード、ライフカード、セディナカードなど
流通系カード イオンカード、エポスカード(マルイ)、セブンカードなど
消費者金融系カード アコムACマスターカード、ビジネクスト法人クレジットカード

上記以外にもメーカー系やオイル系やその他の系列のカードがありますが、審査基準としては流通系カードと同じと考えられます。

流通系のクレジットカードが比較的審査通過率が高いのは、親会社の運営する店舗の売上に結びつけるためです。

カード会員にポイントを優遇したり、サービスを提供したりすることで売上に貢献するため、審査基準が低くなる傾向にあります。

消費者金融系カードは個人向けではアコムしか発行していませんが、消費者金融会社のカードローンと審査基準は同じです。

消費者金融会社はパート・アルバイトも申し込み対象としているので、必然的に審査基準も低くなります。

スコアリングシステムでの審査

クレジットカード審査ではスコアリングシステムという審査方法を採用しています。

審査項目を点数化して合計点数が一定以上の場合に審査を通過するシステムです。

イメージとしては以下の表のようになります。

審査項目 レベル ポイント
勤続年数 6ヶ月未満 0
6ヶ月~1年未満 1
1年~3年未満 3
3年~5年未満 5
5年~10年未満 7
10年以上 10

上記表のレベルやポイント数は実際のものとは違いますが、各項目をレベルごとに点数をつけて、合計点数を算出するというイメージになります。

これらはコンピューター処理が可能なので、スコアリングシステムでは審査スピードも速くなります。

個人信用情報機関に事故情報が記録されていれば、大きなマイナスが与えられるので、ほかの審査項目でプラスになっても合計点数が低くなり審査を通過しないという仕組みです。

配点などはクレジットカード会社によって違い、合計何ポイントで審査を通過するのかはクレジットカードによって違うので、審査の通過率に違いがあるのです。

審査で却下されやすいケース

クレジットカードは一般カードであれば、審査通過はそれほど難しくありませんが、それでも却下となるケースはあります。

どのような場合に審査を通過しないのか解説しましょう。

個人信用情報機関の事故記録

クレジットカード審査で却下される可能性が最も高いのは、個人信用情報機関に長期延滞記録や自己破産等の事故記録がある場合です。

個人信用情報機関は信用情報を保管している

過去のクレジット利用履歴で延滞なく完済している記録があれば、審査通過の可能性が高くなりますが、反対に事故歴があるとほとんど却下となります。

つまり信用力がないと判断されるからです。

実際に医師であっても過去の利用歴から判断して却下したという経験があります。

クレジットカード審査での信用力は、社会的なものではなく単純に返済能力や利用実績のことなのです。

収入が不安定

悩む学生アルバイト

年収が低い、勤続年数が短い、パート・アルバイト等の非正規雇用といった場合も、収入が安定していないと判断されて却下の可能性が高まります。

しかし、この場合はクレジットカードの系列や利用枠によって審査を通過する可能性も残されています。

また、収入が不安定と判断されても、クレジットヒストリーが良好であれば、返済能力はあると判断されることもあります。

年収や勤続年数はそれだけで却下の理由になることもあれば、ほかの審査項目で相殺されて審査を通過する可能性もあります。

その他の却下理由

クレジットカード審査ではひとつの理由で却下になるよりも、総合的な判断で却下となるケースも多くあります。

例えば、利用実績が全くない場合、勤続年数も短く非正規雇用、居住年数も短く安定していなければ却下の可能性が高くなります。

同じような状況でも勤続年数が充分に長い、あるいはクレジット利用歴が良好というだけで審査を通過することもあります。

たったひとつの理由で却下されるのは、事故歴がある、収入がない(無職)といった理由の場合で、ほとんどの場合は複合的な理由で却下されるのです。

反対に考えると利用実績を重ねてから申し込んだり、勤続年数が長くなってから申し込んだりすることで、審査の通過率は高くなります。

なお、在籍確認が取れない場合も、それだけで却下になります。

在籍確認はスタッフ個人名でなされる

収入の前提となる勤務先に勤めていないのであれば、収入がないと判断されるからです。

特にパート・アルバイトといった職種の場合は、職場に電話されると困る場合がありますが、個人名で電話するので社名は本人が電話口に出るまで名乗りません。

また、本人が不在でも勤めていることがわかれば、在籍確認は終了するのでそれほど心配することはありません。

審査の例外

安定した収入がなければクレジットカードを作ることができないというのは原則ですが、例外がいくつかあります。

それは学生と主婦、新卒社会人、家族カードです。

学生は親の収入、主婦は配偶者の収入を参考にするため、本人に収入がなくても審査を通過します。

新卒社会人は勤続年数がほとんどなくても審査を通過するのは、クレジットカード会社の事情によるものです。

クレジットカード会社が必要としているのは、カード会員ですが特に若い年齢のカード会員が重要です。

カードローンで買い物するキラキラ女子

カードを使うのに抵抗がなく、購買意欲が高い、さらに年収が低いため後払いを利用する可能性が高いからです。

そのため新卒社会人は、クレジットカード会社が最もカード会員としたいターゲットなので、審査でも優遇されているのです。

家族カードは18歳以上であれば、ほぼ無審査で発行されます。

これは本カード会員が家族カードの利用も支払うので、家族カード会員の支払能力は審査されないためです。

どうしてもカード審査を通過しないという人は、家族カードを利用するのも方法のひとつです。

まとめ

クレジットカード審査を通過するために必要なものは、返済能力と信用力です。

特に信用力が重要なので、審査に不安がある場合はクレジットヒストリーを強化してから申し込みしましょう。

具体的にはクレジット会社が取り扱うショッピングクレジットは、カードがなくても利用することができるので、それを何度か利用して利用歴を作ることができます。

また、なるべく入会しやすいカードに申し込みして、実績を積んでから本当に欲しいカードに申し込むのもひとつの方法です。

審査というだけで不安を感じる人も、一般カードであれば審査通過率は高いので、それほど心配することはありません。まずは申し込みしてみましょう。

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