自己破産者がカードローン・クレジットカードを再び手にする方法

更新日:2018/01/09
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自己破産した人はその後、再びカードローンやクレジットカードを申し込みできるようになるのでしょうか?
これがこの記事のメインテーマです。

自己破産に至る経緯は人それぞれですが、当初は全ての人がカードローンやクレジットカードを簡単に手に入れて利用できる普通の人だったはずです。

それが、たまたま本人の物欲が強くて返済能力以上の高額な商品を次々と購入したり、あるいはギャンブルやキャバクラにのめり込んだことを契機に次々と借金を重ねてしまい、最後には多重債務者状態から手の打ちどころがなくなって、自己破産せざるを得なくなります。

ただ自己破産してしまった人も生きている限り、再び仕事に就いて収入を得て新しい生活をスタートさせなければなりません。
その場合、生活の中にローンやクレジットカードが必要なのが今の日本社会です。

自己破産後にどのようにすれば再びカードローンやクレジットカードが利用できるようになるのか、この記事ではそのヒントを提供します。

自己破産とは

自己破産とは法的な手続きのひとつで、借金の返済の目途が立たず債務に苦しむ人に対し、再び経済的に自立できる機会を与えることを目的にしています。

債務者からの申告で裁判所が自己破産を認めると、以後その債務者は借金が棒引き(免責)され、全ての債務から解放されます。

そして裁判所の破産宣告後は、その債務に関係した消費者金融会社(サラリーマン金融)や銀行等の金融機関、クレジット会社は、その債務者に対し借金返済の督促をすることが禁じられます。

自己破産した人は多額の借金の重圧から解放され、新たに仕事に就きながら再び普通の生活に戻り経済的自立の機会を得ることができるようになります。

破産手続きをするには弁護士等の専門家に依頼して進める方法と本人が直接裁判所に出向いて行う方法があります。
しかし自己破産の場合、多くの債権者との交渉や所有物件の処分、複雑な法律も絡み煩雑な手続きが待っていますので、可能な限り弁護士に依頼して破産手続きを進めることが効率的です。

ただ弁護士に依頼するには相応の費用も掛かるので、費用節約のためあくまで自分で破産手続きを進めるつもりの人は、その手続きをした破産者の体験談がいくつもネットで読めるので、それらを参考にして、最後まで投げ出さず粘り強く対応できる覚悟のある人だけするべきと筆者は考えています。

自己破産による個人ローン申し込みへの影響

ところで一度破産宣告を受けた元債務者が再び簡単に個人ローンを借りることはできるでしょうか?
結論から先に書けばかなり難しいと思います。

何より本人は自己破産という法的に究極の債務整理の方法で借金をチャラにできましたが、一方ではそれで全ての債務を踏み倒された多くの債権者がいるわけです。
また債権者の多くは銀行などの金融機関や消費者金融・クレジットカードなどの金融会社です。

その金融機関に対し、同じ人間がカードローンを借りたい、クレジットカードを利用したいと再び申し込みしてきても、易々と簡単に応じられるほど世の中は甘くありません。
ほぼ一発で申し込みを拒否されることは目に見えています。

さらに各金融機関はそのような過去に破産手続きをして迷惑を掛けられた人に対し、再度申し込みをされないような防御策も取っています。
そのひとつが信用情報機関と呼ばれる個人情報を登録している機関への「破産情報」の登録です。

一度破産情報がこれら信用情報機関に登録されれば、ローンやクレジットカードの申し込みを受け付けた金融機関は信用情報機関に登録情報を照会するだけで、簡単に申込者が「過去に自己破産手続きしたかどうかの有無」を確認できます。

さらに金融機関内部でもこの破産情報は永久保存しています。
「時間が経ったからもういいだろう」と思うのは破産した人の勝手な言い分に過ぎません。

業者側とすればこのような人に対し門戸を閉ざし再び迷惑を掛けられないようにするのは当然の策です。

自己破産情報が登録される信用情報機関

そこで少し自己破産から離れて、信用情報機関そのものについて解説したいと思います。

またじつはそのシステムの中に「自己破産した人でもカードローンやクレジットカードが再び利用できるヒント」も隠されています。しかしこれについては説明が長くなるので、以下で章を変えてあらためて解説します。

日本にある3つの信用情報機関

銀行・消費者金融業者・信販会社・クレジットカード会社等の金融業者が加盟する信用情報機関は現在日本に3社あります。

このうち銀行・銀行系クレジットカード会社が主に加盟しているのが全国銀行個人信用情報センター、大手から中小まで多くの消費者金融業者が加盟しているのが日本信用情報機構(JICC)、そして信販・クレジットカード会社の多くが会員になっているのがCIC(シー・アイ・シー)です。

もちろんひとつの信用情報機関を超えて複数の信用情報機関に加盟している金融業者もあります。

また以下でも説明するように、この3つの信用情報機関はその保有する個人情報について、相互に情報交流ネットワークによって情報の共有化を図っています。
※ただし交流情報の範囲には制限があります

信用情報機関で登録される顧客情報

申し込みに関する情報

金融機関がローンやクレジットカードの申し込みを受け付けたら、同時にその内容が信用情報機関に新規登録されます。通常情報の保存期間は登録から6ケ月です。

契約に関する情報

契約者本人に関する氏名・住所・生年月日等の個人情報以外に契約業者名、契約金額、借入額、契約日などが登録されます。

返済に関する情報

返済に関する情報はここでまとめて登録されます。各種支払いで延滞や滞納があれば、ここで事故情報として登録され、一定期間(5年程度)加盟金融機関で相互利用されます。

この情報は正式には異動情報と呼ばれますが、一旦この返済不能者としての登録がされると、登録が削除されるまでの一定期間、この経験者が何度ローンやクレジットカードの申し込みをしても審査落ちすることになります。
そのためこの異動情報のことを別名ブラックリストとも呼んでいます。

携帯電話機種料金の分割代金に関する返済状況も、この項目で管理されますので、安易に延滞してブラックリストに載らないよう注意が必要です。

取引事実に関する情報

ここに登録される情報の主なものは任意整理、個人再生、自己破産などの債務整理情報です。
債務整理に関する金融事故情報は上記返済に関する異動情報と共に、金融機関が信用調査において最も重視する項目です。

自己破算に関しては裁判所で破産宣告がなされると、本人の氏名・住所・生年月日が破産の事実と共に官報情報に記載され、またその事実が債権者の金融機関にも通知されるので、遅滞なくこの破産の事実が信用情報機関にも登録されることになります。

またその情報は一定期間後(5年~10年)には各信用情報機関のリストから削除されるルールになっています。

しかし破産宣告を受けて債務免除に応じざるを得なかった各金融機関では、実際破産手続きで借金を踏み倒されてしまった立場なので、破産宣告受けた者が再びその金融機関及び関連先でローン等の申し込みをしないよう、防御策としてその個人情報を社内情報として永久保存しています。

したがって仮に同じ当人がその債務免除した金融機関で再びカードローンやクレジットカードを申し込みしてもほぼ100%受付段階で拒否されることは目に見えています。

以上、信用情報機関で登録される個人情報について個々の登録情報やその保存期間にも触れながら説明してきました。

これらの利用履歴は一般的にクレジットヒストリー、略してクレヒスと呼ばれています。
破算手続きをした人は要するにこのクレヒスを汚してしまった人なので、当分の間金融機関でのローンやクレジットカードの利用を制限されてしまうのです。

個人信用情報機関と主な加盟先および情報交流システム

次に個人信用情報機関は各々どのような金融機関が加盟しているか、一覧表にしてみました。

信用情報機関と主な加盟先

信用情報機関名 加盟資格
全国銀行個人信用情報センター ・銀行
・政府関係金融機関
・信用保証協会
・銀行・関係金融機関の推薦を受けたクレジットカード会社・保証会社等
株式会社シー・アイ・シー(CIC) ・貸金業法または割賦販売法に基づく登録事業者
・もしくは上記法律に準ずる事業を行う割賦業者、信用保証業者、リース業者等
全国銀行個人信用情報センター ・貸金業法の下に登録を受けた貸金業者
・割賦販売法の下に包括・個別信用購入あっせん業者として登録を受けているもの

信用情報機関相互の情報交流システム

各信用情報機関の間では個人情報の共有がなされており、共有のシステムとしては以下の二つがあります。

消費者金融・信販・クレジット会社等いわゆるノンバンク業者が加盟するJICC・CIC2社間で行われる情報交換(FINE)と銀行・ノンバンクが加盟する全国銀行個人信用情報センター、JICC、CICの3社間で行われる情報交換(CRIN)があります。

私の調査では、CRINにおいて3社間で交わされる個人情報は主に「延滞情報」に関する事項だけであり、「破産者情報」に関する情報交換はされていないことをつかんでいます。

これは後で詳しく説明する「破産者でもカードローンやクレジットカードを利用できる方法」にも絡んでくるので読者はよく覚えておいてください。

(a)FINE

JICCとCICの2社間で行われている相互交流ネットワークのこと

FINEのイメージ

(b)CRIN

全国銀行個人信用情報センター、JICC、CICの3社間で行われている相互交流ネットワークのこと

CRINのイメージ

信用情報機関における破産者情報の取り扱いと登録期間

次に自己破算に関して各信用情報機関がどれ位の間、この情報を保存しているか、各信用情報機関HPにアクセスしてその内容をまとめたのでご覧になってください。また参考に各信用情報機関のURLも下記に貼っておきます。
結論から言えば、全国銀行個人信用情報センターでは10年を上限として、また他の2つ、JICC及びCICでは5年を上限として破産者情報を保存し、以後は削除されています。
この「保存期間の差」も重要なのでよく覚えておいてください。

各信用情報機関情報登録機関(自己破産のケース)

信用情報機関名 登録情報 登録期間
全国銀行個人信用情報センター 官報に公告された自己破産・民事再生等の手続開始決定等 当該決定日から10年を超えない期間
日本信用情報機構(JICC) 自己破産申し立て、債務整理、債権回収、保証履行、強制解約等 当該事実の発生日から5年を超えない期間
株式会社シー・アイ・シー(CIC) 移動の有無(自己破産・保証履行・延滞) 契約期間中および契約期間終了後5年以内
▼個人信用登録情報・登録期間に関する参照URL
全国銀行個人信用情報センター
日本信用情報機構(JICC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)

自己破産後は闇金融業者に注意

ここで閑話休題です。
上記信用情報機関の情報から自己破産後、5年~10年の間は信用情報機関で破産情報が保存されているので、いくら自己破産した本人がカードローンやクレジットカードを再度申し込みしても、利用することが難しいことが分かりました。

しかしその登録期間が長いのでキャッシングを利用したい衝動に何度も駆られるかもしれません。

そこで登場するのが闇金融業者、略してヤミ金です。
ヤミ金は破産手続きした状態の人がその後もローンやクレジットカードを利用したい気持ちに駆られることをその経験からよく熟知しています。

そのためヤミ金自ら破産経験者に直接電話やダイレクトメールを使って、「破産手続きをした人でもブラックリストに載っている人でも利用できるキャッシングがありますよ」とささやいてくるのです。

なぜヤミ金が自己破産した人の情報を知っているかと言うと、破産情報が載った官報情報を常にウォッチしているからです。

その気になれば官報の破産情報は誰でも手にすることができます。

ただ一般的でないので通常は金融機関や弁護士など関係者しか目にすることはありませんが、公開されている情報なのでヤミ金業者でも官報の閲覧は可能です。

その情報を利用してヤミ金は破産経験者にアプローチしてきます。

もちろん過去の自己破産の失敗を深く反省しその原因を冷静に判断できる人ならそんな甘い誘いに乗る人は少ないと思いますが、今にものどからお金が欲しい人なら簡単にヤミ金の甘いささやきに乗ってしまいます。

もちろん一旦ヤミ金に相談してキャッシング契約をしてしまえば再び取り立て地獄行きになることは目に見えています。
そんな甘い話は簡単に転がっていません。くれぐれも気を付けて下さい。

自己破産した人がカードローンやクレジットカードを利用できる方法

それではいよいよ自己破産した人でもカードローンもしくはクレジットカードが利用できる方法に入ります。
そこでまず以下のポイントをしっかり押さえて下さい。

自己破産手続きをして迷惑をかけた金融機関の場合、その金融機関では信用情報機関で破産情報が削除された後も、その破産情報が社内で永久保存されますから、まず何度ローンやクレジットカードをそこで申し込みしても必ず拒否されます。

そのため、もし新たにカードローン契約をしたりクレジットカードを作る時には、必ず以前に自己破産宣告して迷惑をかけた金融機関での申し込みは避けなければなりません。
これがまず第一の前提です。

次に「全国銀行個人信用情報センターでは10年を上限として、JICC及びCICでは5年を上限として破産情報を保存し以後はリストから削除される」と言う点を思い出して下さい。

全国銀行個人信用情報センター、JICC、CICの間では延滞情報に関する情報交換ネットワーク(CRIN)があることは前に説明しましたが、私自身、このCRINに関する情報の中身をHPで何度チェックしても「破産情報を交換している」という箇所を見つけることはできませんでした。

またネットの某サイトでは、以前は「破産情報」に関してはこの3つの信用情報機関で情報交流されていたが、平成27年1月をもってこの関係は解消されたと書いていますが、残念ながらこれについては公的サイトでなく個人サイトだったので、日付については真偽を確かめることはできませんでした。

しかし少なくとも私が各信用情報機関のサイトで運用を確認した範囲では、確かに「破産情報」に関して現在のところ情報交流されていません。

そこで一番に考えられることとしては、全国銀行個人信用情報センターでは10年間破産情報が保存されるので、ここに加盟している金融機関でカードローンやクレジットカードを元破産経験者が申込手続きをしても最低10年間は利用が困難ということです。

ところが一方、JICC、CICを利用している金融業者では破産情報に関して信用情報機関の保存期間が5年となっています。

破産登録から5年を経過すれば登録も削除されるので、うまくいけばローンやクレジットカードが再度利用できる可能性があるということです。

ただしこちらも前回破産手続きで迷惑をかけた消費者金融会社やクレジットカード会社では、同じように社内情報として永久保存されているので、その金融機関で申し込みしてもダメな結果に終わります。
前回迷惑を掛けていない金融機関を探して申し込みする必要があります。

ただしその場合でも、カードローンであれクレジットカードあれ、当然発行審査がありますから、申込者としては「ちゃんとした仕事を持って安定した収入を得ていること」、「住民票が取れる住所地に住んでいること」、「固定電話でも携帯電話でもすぐ連絡が取れて対応可能な状態にあること」、などを新たに申し込みする金融機関の担当者にしっかり示せなければなりません。

ただこれまで書いてきたことをしっかり準備して臨めば、破産経験者でも再びローンの利用やクレジットカードが利用できる可能性はあります。
そのためにはまず色々な情報をネットで集めて、確実性の高い金融機関にいくつか絞り込む必要があります。

信用情報機関で破産情報を登録されている人が使えるカード

ここで自己破産手続きが終了して信用情報機関でまだその情報が削除されていない方でも申し込みできるカードについて触れておきます。
それがデビットカードです。

日本国内ではクレジットカードが決済手段の主流ですが、アメリカや他の先進諸国ではクレジットカードよりむしろデビットカードが人気があります。
デビットカードを一言で表すと「即時支払いのカード」と表現できます。

国内のレストランやショッピングの際の支払いで現金に換えてデビットカードを利用すると、利用と同時に銀行に登録済みの本人名義の預金口座から即日で利用代金が引き落としされます。
これがデビットカードの仕組みです。

もちろん利用代金以上の残高が預金口座になければデビットカードは利用できませんが、預金残高を背景にテビットカードを使うことができるので、満20歳以下の未成年でも「破産手続きを過去にした人」でもデビットカードは持つことができます。しかもデビットカードには審査はありません。

そこでおすすめは楽天銀行のデビットカードです。
楽天銀行のデビットカードは楽天銀行に口座を作れば審査なしで作れますし、海外でも利用できるので便利です。

また過去の破産の経験から使いすぎを心配する人でも利用限度額の設定ができるので利用をコントロールできます。

ただしデビットカードの利用履歴はクレジットカードのように信用情報機関のクレジットヒストリーには反映されないので、クレヒスを良くしたい人にはやや不満が残るかもしれません。

しかし破産した人は元々当面ローンやクレジットが利用できないので、その間でも決済に使えるこのようなカードがあること自体に感謝しなければならないと私は考えます。

まとめ

これまで書いてきたことで、一度自己破産を経験した人が再びカードローンやクレジットカードを作ることは簡単でないことは理解していただいたと思います。

それでもきちんと順路を辿り、長期間、粘り強く信用の回復を図りつつ、一方ではポイントを絞り込んで破産後でも利用できる金融商品を選べば、どこかで活路は開けるものと筆者は考えています。

明るい未来に向けて頑張って下さい。

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