無職でカードローン利用ができない場合の対策とは

更新日:2017/12/15
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無職とは失業や病気等の理由により長期間仕事に就けず収入ゼロの状態のことを言います。

しかし無職と言っても生活がありますからお金のない状況は長く続けられません。貯蓄があるうちはそれを切り崩してなんとか生活は送れるものの、失業状態が長期化してくるとやがて資金も枯渇してきます。蓄えがなくなる前になんとかしなければなりません。

無職の人がお金を作る方法には何があるでしょうか。

一番に考え付く方法は金融業者からの借金です。でも融資を受けるには条件があります。無職の人がその条件を満たすことができるのでしょうか。

また急ぐあまり貸金業の無登録業者であるヤミ金に手を出してしまうかもしれません。
でもそれは絶対やってはいけません。事態がもっと悪化します。

幸いにして日本には無職で困窮状態にある人でも救いの手を差し伸べてくれる色々な制度が充実しています。
今回の記事では収入ゼロの無職の人がカードローンをそもそも利用できるのかどうか、借れるとしたらその対象や条件とは、あるいは借れないとしたら他に利用できる方法や制度はないのか、それらに絞って詳しく解説します。

無職の人はカードローンを利用できるか

結論から先に書けば無職の人がカードローンを金融機関から借りることは困難です。

理由は返済能力がないことです。金融機関ではカードローンの融資において申込人に「安定・継続的な収入」があることを一番の条件にしていますが、無職の人はその重要な条件を最初から欠いています。

たとえ対象者に当面の貯蓄があったり、個人信用情報で返済での延滞・滞納や債務整理等の事実がなくても結果は同じです。

その点では失業者は典型的な無職のケースですが、無職の人がどの金融機関に申し込みしてもカードローン審査の結論は同じで即日却下です。
ただし仮に職業についていなくてもキャッシングの可能性がある例外もあります。
まずはそれについて、個々のケースを説明します。

専業主婦(夫)の場合

専業主婦(夫)の場合は仕事に就いていないので無職です。
しかし最近では銀行カードローンで専業主婦(夫)でもカードローンが利用できる所がどんどん増えています。

年金収入のみの申込者の場合

勤務先を定年等により退職して現在は生活を年金収入のみに頼っている人も基本的に無職です。
このケースではたとえ無職と言えども、年金収入という安定継続した収入があるのでカードローンの申し込み条件は満たしています。しかし問題は各金融機関が設定している年齢制限です。

金融会社側としてはできるだけカードローンの利用者には長期的に利用してもらいたいので、若い契約者を好む傾向があります。

そのため定年後の年金受給者が支給される年金だけでは足らずカードローンを借ろうとしても、その年齢を理由に金融機関から断られることもあるし、そもそも年金受給者をカードローンの申込対象から外している金融機関もあります。

派遣社員・契約社員・学生等の場合

派遣会社に所属する派遣社員や会社に直接雇用される契約社員の場合、長期的に勤務しているなら会社から収入証明書が取れるので、当然カードローンが申し込みできます。

しかし派遣会社に登録しているだけの勤務実態のない派遣社員だったり、契約期間がまだ1~2ケ月以内の契約社員のような場合、実質無職と変わらない状態なのでカードローン審査の対象外です。
これはアルバイトで収入を得ている学生の場合でも同様で、勤務期間が極めて短い場合は無職同様に扱われます。

ネット収入のみの人の場合

ネットの発達で最近は定職に就かず、オークション収入や「せどり」と言われるレア商品を仕入れてネットで高く売る商売等でネット収入を得る人が増えてきています。
この人たちがカードローンを申し込みして借れるでしょうか。

結論から言えば難しいと筆者は考えています。
彼らは不労所得者と呼ばれるグループですが、仮に彼らの収入が高くても、金融機関側としては「安定・継続した収入を得ている労働者」とは見なしません。
時代がこのようなグループを安定した収入対象者と認めるようになるまではまだ少し時間が必要でしょう。

自営業者の場合

自営業者の場合、その事業規模や利益状態にかなり差がありますが、金融機関は自営業者を基本的に無職とはみなしません。

商売が厳しくて仮に所得が赤字の状態でも取扱いは同じです。
カードローン自体は申し込みできますが、当然所得のない自営業者はカードローンの利用者にはなれません。

生活保護を受給中の人の場合

生活保護については後半の章で詳しく解説予定ですが、現在生活保護受給中の人は基本的に無職状態であり最初からカードローン申し込みの対象外です。
そもそも生活保護費は本人の収入でなく税金を財源とした国からの給付です。

定職について生活状況も安定し、もはや生活保護を受けなくていいようになれば、過大な債務がなくかつ個人信用情報機関において金融事故の登録がない限り、当然カードローンを申し込める対象になります。

年金受給者が生活費に困った時の対応・年金担保融資

年金受給者が年金以外に特に所得がなく、年金支給額そのものが低かったり急な出費が重なって生活費にも事欠くようになれば大変です。さらにカードローンも借れないとするとどうしたらいいでしょうか。

その場合、利用できる融資制度が年金担保貸付です。
文字通り受給中の年金原資を担保にして融資を受ける方法です。

この制度の取り扱い先は国の公的機関のひとつ、独立行政法人・福祉医療機構です。また受付窓口は各地にある銀行・信用金庫などです。

さらに対象となる年金の種類は国民年金、厚生年金保険、労働者災害補償保険です。
融資の概要です。

【1】融資金額10万円~200万円(ただし資金使途が生活必需物品購入の場合、上限80万円)
かつ年金支給額の80%以内、さらに1回あたり返済額の15倍以内
【2】返済方法は福祉医療機構が年金支給機関から受給者に代わって直接年金の一部を受け取り返済に充てる
【3】金利は年1.90%(年金担保融資)、年1.20%(労災年金担保融資)
【4】基本的に連帯保証人が必要だが難しい場合、別途信用保証機関を利用できる、ただし保証料は本人負担
【5】融資が受けられるまでの期間は申し込みから3~4週間

詳しくは下記リンク先をご確認ください。

参照元:年金担保貸付事業・労災年金担保貸付事業(独立行政法人福祉医療機構)

これとは別に公務員等の恩給・共済年金を担保とした年金担保貸付制度もあります。
この場合の取り扱い先は同じく公的機関の日本政策金融公庫です。
融資制度の概要です。

【1】融資金額は恩給・共済年金ともに上限250万円まで、ただし恩給の場合は担保の年金の年額3年分以内、共済年金の場合は同じく2年分以内
【2】資金の使い道は住宅資金や事業資金(共済年金の場合、資金の使い道が生活資金なら100万円)
【3】返済方法は本人の恩給や共済年金を直接公庫が受け取り返済に充当
【4】金利は恩給の場合、年0.31%、共済年金の場合、年1.81%
【5】融資が受けられるまでの期間は申し込みから3~4週間
参照元:恩給・共済年金担保融資(日本政策金融公庫)

無職の人が利用できる生命保険を使った融資・契約者貸付

現在無職の人でも仕事に就いていた時、生命保険に入っていた可能性はあります。
例えば終身保険、養老保険、個人年金保険等の類です。さらに無職になっても保険契約が解約されずその契約が続いていると仮定します。

そこでこの保険を活かして融資を受ける方法が契約者貸付です。

契約者貸付では契約者(無職の本人)が生命保険の解約返戻金(へんれいきん)を担保に生命保険会社から借金をします。
この場合、保険契約者が債務者で生命保険会社が債権者の関係になります。
契約者貸付の融資概要です。

【1】融資額は解約返戻金の70%~90%の範囲で保険会社によって異なる、かつ解約返戻金の範囲内で何度でも利用可能
【2】資金の使い道は自由
【3】返済方法は全額返済、一部返済、毎月定額返済などから選択可
【4】金利はその保険の予定利率 + 1.0%~3.0%(保険会社で異なる)
【5】融資が受けられるまでの期間は申し込みから1週間程度

この契約者貸付のメリットは

契約中の保険を解約せずに融資が受けられること
銀行ローンのような審査もなく手続きが簡単
金利がカードローンに比べて低い
決まった返済期限がない

一方デメリットとしては
・保険契約開始から日が浅いと十分解約返戻金が貯まっていないので利用できない
などがあります。

詳しくは当該保険会社サイトをチェックするか、保険会社窓口に問い合わせてください。

無職の人が利用できる「融資型」福祉制度・生活福祉資金貸付制度

現在失業中で収入が全くない、あるいは収入があっても金額が極めて低く生活はピンチ状態だが、一定期間国が融資を通じて財政的に家計を支えることで、その間に就職先を見つけ再び生活を立て直し経済的に自立できる可能性が残されているグループがあります。

いわば生活保護一歩手前の状態の先です。
そのグループの人たちを対象に用意されている国の融資制度が生活福祉資金貸付です。

また生活福祉資金貸付はさらにサポートする目的で4つに区分されます。

総合支援資金
福祉資金
教育支援資金
不動産担保型生活資金

ここでは全ての融資を目的ごとに説明することはスペース的に無理があるので、個々の融資に興味のある人は下記に貼ってある厚生労働省のリンクから辿ってもらうこととして、この章では主に一番利用者の多い総合支援資金について解説します。

総合支援資金についてはさらに資金の目的別に以下の3つに分類されます。

生活支援費
住居入居費
一時生活再建費

この3種類の資金の違いは、生活支援費が困窮状態にある個人または家庭に対し毎月融資を貸し付けることで財政的に生活を安定させることを目的とするのに対して、住居入居費及び一時生活再建費の場合は、それぞれの目的に沿って毎月の生活支援費ではカバーしきれない範囲の費用を賄うためにされる臨時的・一時的融資である点です。

そのため、生活支援費が実行されることなしに住居入居費及び一時生活再建費が実行されることはなく、いわば生活支援費がこの総合支援資金の基本にあるということです。

もしこの融資の対象になるような困窮状態に個人または家庭が陥った場合、相談する窓口はまずは住所地を管轄する市区町村の社会福祉協議会になります。

相談を受けた社会福祉協議会は入念な審査の元に融資の可否を診断します。
ここで総合支援資金の融資概要について一覧表を見て下さい。

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再度述べますが、ここで重要な点は、基本となる生活支援費で足らない部分について住居入居費及び一時生活再建費が必要な場合、融資が実行されるということで、住居入居費及び一時生活再建費がそれぞれ独立して貸付限度額全額が実行されるということでないことに注意が必要です。

また総合支援資金はあくまで融資であり、利用者にとっては借金です。
当然返済されることを前提で融資が審査されるので、誰でも利用できるというものではありません。

融資金はギャンブルや遊興費に使うことは禁じられていますし、また別に雇用保険(失業保険)、公的年金が受けられる人、生活保護費受給中の人、さらに自営業者、法人経営者等も融資対象外です。

金利も無利息~年1.50%、返済期間も据置期間(6ケ月以内)を別に10年~20年と破格の条件ですが、それだけ審査条件は厳しくなるという認識の下で申請する必要があります。

しかしいざという時には利用できる制度なので無職の人には大変ありがたい制度です。
詳しくは下記リンク先を参照して下さい。

参照元:生活福祉資金貸付条件等一覧(厚生労働省)

無職の人が利用できる「給付型」福祉制度・生活保護

無職の本人及びその家族が利用できる国による最後のセーフティネット制度がこの生活保護制度です。

この制度では資産・能力等全てを活用してもなお困窮状態が改善しない人に対し、困窮の程度に応じて必要な保護をして最低限の生活を保障しながら生活の自立を促すことを目的としています。

前段で解説した生活福祉資金貸付制度と生活保護制度が根本的に異なる点は、生活福祉資金貸付制度が貸付型で返済が伴うのに対して、生活保護制度は給付型で返済が必要ない点です。

生活保護を受けている間は給付を受けている本人は返済を全く気にすることなく、自立に向けて準備をすることができます。

生活保護の名の通り、保護の種類には日常生活に必要な費用からアパート家賃、教育扶助費、医療サービス費用、就労に必要な技能習得等に関する費用など、広範囲の支出項目がカバーされています。

しかし生活保護の認定を受けるには色々な前提条件があり、

持っている預貯金は使い切り生活に利用されていない土地家屋などは全て売却し生活費に充てておくこと
働くことが可能な人は各々の能力において働くこと
年金その他の諸制度で給付を受けられる場合、必ずそちらを優先して活用すること
親族等から援助を受けられる場合、まず援助を受けること

など満たしてなおかつ困窮する場合に初めて生活保護制度が受けられます。

また生活保護の趣旨はあくまで生活費の不足分のカバーなので全額が給付されるとは限りません。
具体的に言えば、もしその地域の生活保護費水準が10万円で本人の収入が3万しかなければ7万円が生活保護費から支給されるシステムになっています。

また最近は生活保護費を巡って不正受給など色々な犯罪が発生しているので、国も認定にはかなり厳しく対応してきています。
生活保護の相談には住所地の地域を管轄する福祉事務所・生活保護担当が窓口となっていますので必要性に合わせて相談して下さい。

参照元:生活保護制度(厚生労働省)

奨学金を利用した学生が卒業後、活用できる返済支援制度

両親が何らかの理由で仕事に就けず無職の場合、あるいは生活ギリギリの収入しかない場合、子供がいくら進学したくても費用の面から困難なケースがあります。
その窮状を財政的な面からサポートし、子供が希望通り進学できる機会を与える制度が奨学金制度です。

主な奨学金貸与先には独立行政法人・日本学生支援機構や各地方公共団体があります。

奨学金にも返済が伴う貸与型と返済を必要としない給付型がありますが、多くは貸与型であり、奨学金融資を受けた学生は卒業後、就職して勤務先から得た給与の中からコツコツと奨学金の返済をしなければなりません。

しかし近年、就職しても仕事から得られる給料も十分でなく、奨学金の返済にも支障を来しているのが実態です。
そこでその返済を側面からサポートする制度が民間会社で始まっています。それが返済支援制度です。

一例を挙げれば、某民間会社では、奨学金返済中の学生がその会社に内定者として決まった場合、そのまま入社すれば、初年度ボーナス支給時に奨学金の一括返済資金として100万円を支給してくれます。
もちろん返還義務はありません。

ただ利用条件として必ず奨学金元金に返済することを求められますので、返済後、会社へ返済した証明となる領収書を提出することを求められます。
もちろんその会社では入社後、その支援給付金と交換に長期間その会社にとどまるような野暮な条件も付いていませんし、モラル的に許されることでもないでしょう。
ただ新社会人としてその会社のありがたく親切な行為にこれからどう応えていくのか、それは問われていると思います。

いずれにしてもそのような制度があること自体、卒業後も苦労して返済している本人には、借金から解放され社会人として前向きに生きていけるようになるという意味では、大変優れた制度だと著者も評価しています。

なお個別の会社の返済支援制度にリンクを貼るのは適切でないのでここでは控えますが、奨学金支給に関しては下記リンク先を参照して下さい。

まとめ

無職とカードローンと言うテーマで「無職・収入ゼロの状態でカードローンは借れるのか」「借れるとしたらその金融機関はどこか」「無職で当面仕事が見つからない場合、融資や給付で利用できる制度はあるか」などについて、色々な段階ごとに解説してきましたがいかがでしたか。

筆者自身もこの記事を執筆しながら、このような制度に恵まれた国・日本に生まれて本当に良かった、とつくづく感じています。

たとえ自分の意図しない理由で失業し無職になったとしても、日本の国籍を持っている限り、最後には生活保護制度と言うセーフティネットで救われます。

さらにそこまでいかなくても前段で国・民間合わせた色々な融資・支援制度を活用して自立の道を探る機会が与えられています。

さらに無職で収入ゼロの状態でも一部の対象者には民間金融機関のカードローンが申し込みできるのが驚きです。

これらの情報や制度を十分活用して、たとえ今が無職で困窮する状態にあっても再び復帰を目指して前向きに生きたいものですね。

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