クレジットや事業者ローンにも発生した過払い金の真実

更新日:2018/01/09
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昨今、過払い金請求をうたい文句にしている法律事務所のCMをよく耳にするようになりました。
「金融のことはよく知らないけど、過払い金という言葉だけは知っている」という方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、過払い金という言葉だけが独り歩きしている状態で、内容や請求の流れまで知っているという人は少ないと思います。

過払い金とは、債務者が本来支払う必要がなかったのに払いすぎてしまった利息のことを言います。
払いすぎた利息は、返還請求をすることで回収できる可能性があります。
法律事務所がCMしていることもあり、返還請求というと「金融機関との裁判」を想像しがちですが、多くの場合は和解交渉で完了できます。
しかもその返還請求の手続きは、法律事務所に頼まなくてもご自分ですることができます。

今回は、そんな過払い金の請求方法や、過払い金の内容など、詳しい中身についてご説明していきます。

過払い金発生のメカニズム

そもそも、どうして、利息を払いすぎてしまうのでしょうか。
過払い金発生のメカニズムをご説明します。

過払い金により払いすぎた利息は、「グレーゾーン金利」という金利によって発生します。
グレーゾーン金利とは、かつて多くの金融機関が行っていた、違法な金利のことを言います。

金融機関がローン商品の金利を設定する際には、「利息制限法」と「出資法」という2つの法律を指標にしなければなりません。
利息制限法と出資法は、いずれも「お金の貸し借りの際の金利の上限」に制限をかけた法律です。

利息制限法と出資法に関する詳しい内容は説明すると長くなるのであえて割愛させていただきますが、かつて、利息制限法における上限金利と、出資法の定める上限金利には、誤差がありました。
その利息制限法と出資法の定める上限金利の誤差が要因となって生まれたのが、このグレーゾーン金利です。

このグレーゾーン金利は法外な金利なのですが、「法を破っても罪に問われない」という、その名の通り法の目をかいくぐったグレーな金利でした。
このグレーゾーン金利を採用することで、金融機関の多くは違法に債務者からお金を巻き上げて、ボロ儲けしていたのです。
これが過払い金発生のメカニズムです。

過払い金請求のブームの幕開け

2006年に最高裁が「グレーゾーン金利は認められない」と判決を下したことで、全国各地では過払い金請求のブームが巻き起こりました。
それにともない、以後グレーゾーン金利による違法な過払い金が発生しないように、国は利息制限法と出資法の改正にとりかかり、2010年6月には法改正が完了しました。
多くの金融機関は2006年の最高裁の判決を受けてすぐ上限金利の改定を行いましたが、一方で、一部の業者にいたっては2010年の法改正までグレーゾーン金利での貸付を行っていたといわれています。

*過払い金請求による利息返還金の推移

年度 利息返還金(億以下切り捨て)
2006年度
(最高裁がグレーゾーン金利を否認)
2936億円
2007年度 4724億円
2008年度 5909億円
2009年度 6589億円
2010年度
(利息制限法・出資法改正)
5191億円
2011年度 5212億円
2012年度 3670億円
2013年度 3009億円
2014年度 2758億円
2015年度 2682億円

この表は、内閣総理大臣の許可を得て設立された日本貸金業協会が調べた「利息返還金の推移」です。
この推移は全国の貸金業利用者のうち数百人からとったアンケート結果で、実際にはもっと多くの過払い金が返還されていると考えられます。
いかに多くの人が過払い金請求ブームに背中を押され、過払い金請求をしていたかがわかります。

しかし、表をご覧になればおわかりの通り、利息返還金は2012年頃から徐々に減少し始めました。
2015年度にいたっては、2009年度の3分の1の金額しか過払い金の返還がなされていません。
利息返還金の減少には、過払い金請求の「時効」と、貸金業者の「倒産」「廃業」が関係しています。

過払い金の時効は完済後10年&倒産会社への請求は困難

過払い金を支払わされたすべての債務者には、過払い金返還請求権があります。
しかし、例外としてこの請求権を行使できないケースがあります。

過払い金を回収できないケース

借金完済から10年以上経ち、請求権の時効を迎えた

債権者が倒産または廃業し、現在業務を行っていない

過払い金請求権の時効を迎えると請求できない

まず、返還請求権には10年という時効が存在し、時効がくると返還請求の権利は消滅してしまいます。
過払い金請求のCMで盛んに「過払い金請求の時効が近づいています!急いでください!」などといわれているのは、この請求権の時効のことを指しているのです。
過払い金返還請求権の時効を迎えてしまうと、過払い金を回収することは原則できません。

しかし、誤解しないでいただきたいのが、「過払い金返還請求権の時効は、完済したその日からカウントダウンされる」ということです。
過払い金請求のCMでは、「2016年が過払い金返還請求権の時効である」と誤解をまねくようなフレーズが使われることがありますが、厳密にいえばそれは間違いです。

過払い金が発生する借金を2010年に完済した人であれば、過払い金返還請求権の時効は2020年にやってきます。
一方で、過払い金が発生する借金を2000年に完済した人であれば、過払い金返還請求権の時効は2010年にすでに迎えてしまっているのです。

過払い金請求ブームが巻き起こった2006年に借金を完済した人にとっては、過払い金返還請求権の時効は2016年ですが、すべての人が2016年に時効を迎えるわけではないのです。
過払い金返還請求権の時効のカウントダウンは、借金を完済した年から始まる」というのは、2009年11月に最高裁判所が判断したことなので、誤解を招き、過払い金請求を急かす手口のCMには騙されないように気をつけてください。

倒産・廃業した会社からは過払い金の請求は困難

過払い金返還請求権が有効なうちでも、返還してもらえないケースがあります。
それは、借入を行っていた会社が倒産・廃業し、過払い金を請求してもそれを支払うだけの余裕がないケースです。

先の図でご覧頂いたとおり、2006年を境に過払い金の返還請求は後を絶たなくなりました。
日本貸金業協会の資料では、年間の利息返還金が最も多かった2009年度において、毎月約390億円~590億円の利息返還金が発生していたという報告もあります。

過払い金の返還による莫大な出費に絶えられなくなった貸金業者の多くが、この頃を境にして続々と倒産していきました。
一説には、かつて大手消費者金融の1つだった武富士が倒産した原因も、この過払い金請求によるものだとされています。

このように、既に倒産してしまった会社からは過払い金を回収するのは大変難しいです。
回収できても、全体の数%しか回収できないことが一般的です。

しかし、会社が倒産してしまったことはいわば会社の自業自得であり、違法に過払い金を徴収された利用者としては、倒産したことと自分たちの過払い金の返還がされないことは全くの別問題です。

このような主張のもとに、武富士の返還責任を訴える裁判が全国各地で起こりました。
アディーレ法律事務所など、有名な法律事務所もこの裁判に立ち上がりましたが、残念ながらこれまでの間、こう訴えた被告人たちは一度も勝訴できていません。
それほど、倒産・廃業した会社から、過払い金を請求することは難しいのです。

過払い金請求権の時効を迎えるか、債権者が倒産・廃業してしまった場合には、過払い金の回収はできないとお考え下さい。

クレジットカードや事業者ローンにも過払い金は存在する

過払い金と聞くとカードローンをイメージする方も少なくないと思いますが、クレジットカードにおいても過払い金は発生していました。
クレジットカードには、銀行が発行しているものとクレジットカード会社や信販会社が発行しているものがあります。
このうち、クレジットカード会社や信販会社といった貸金業者の発行するクレジットカードでも、一部ではグレーゾーン金利が採用されていました

クレジットカードには「ショッピング枠」と「キャッシング枠」という二種類の使用用途があります。
ショッピング枠は、いわゆる「レジでのカード払い」のことを言います。
一方でキャッシング枠は、ATMなどであらかじめ現金を引き落とし、その現金を利用者の自由に使うことを言います。
ショッピング枠とキャッシング枠ではそれぞれ金利が違うのですが、このうちキャッシング枠において、かつてグレーゾーン金利を採用していた会社が複数ありました。

事実、クレジットカードにおいてどの程度過払い金が発生していたのかを示すために、2006年度における利息返還額の請求先業者ごとの内訳をご紹介します。

*2006年度における請求先業者別の利息返還額

業者 利息返還額
消費者金融 2698億6900万円
事業者金融 72億1600万円
クレジットカード会社
信販会社
165億3700万円
合計 2936億2200万円

※日本貸金業協会調べ

表の通り、消費者金融と比較すると返還額は少ないですが、2006年度においてはクレジットカードを発行しているクレジットカード会社と信販会社においても165億円以上の過払い金が存在していました。
この調べは、日本貸金業協会のアンケートに回答した289人が回収できた利息額の合計なので、実際にはもっと多くの過払い金が、クレジットカードにおいても発生していたと思われます。

また、表をご覧いただければお分かりのとおり、事業者金融においても過払い金は発生していました。
事業者金融とは、自営者が利用できるローンのことをいいます。

以上の通り、カードローン利用者以外にも、クレジットカードや事業者ローン利用者も過払い金の発生対象となるので注意が必要です。

返済中の過払い金請求でもブラックリストには載らない

世間では、まことしやかに「過払い金を請求するとブラックリストにのってしまう」などという噂が囁かれています。
また「過払い金を請求するとクレジットカードや住宅ローンが組めなくなる」という噂もあります。
結論から言いますと、過払い金請求によって個人信用情報に傷が付くことはありません。

かつては、過払い金請求は、信用情報に「契約見直し」という表記で事故情報として登録されていました。
しかし、本来、事故情報とは、債務者が返済を滞納したり、自己破産した場合に「この消費者にお金を貸すと、お金が返ってこない危険性がありますよ」ということを金融機関に知らせるための情報です。
過払い金を請求されるということは、金融機関の落ち度であるのに、それが消費者の事故情報として記録されるのはおかしい話です。

このことから、2010年4月19日以降、信用情報機構は「契約見直し」の情報収集・提供を廃止することを決定しました。
信用情報は、金融機関から信用情報機構への報告によって登録される仕組みになっていますが、信用情報機構は2010年4月19日以降は一切の報告を受け付けないと取り決めています。
ですので、過払い金を請求したからといって、ブラックリスト入りすることはありませんし、ましてやクレジットカードが作れなくなったり、住宅ローンが組めなくなることもありません。

世間では、「返済中の過払い金請求はブラックリストに載る!」などとまことしやかに噂されていますが、それも嘘です。
特に紛らわしいのは、「返済中の過払い金請求は債務整理扱い。過払い金請求で回収したお金を元本の返済に充てても、残高が残ってしまう場合は”任意整理”となる」という情報です。

*任意整理とは?

任意整理とは、個人再生・自己破産といった債務整理のうちの1つ。
債務者が「これ以上の返済は難しい」と思った場合に、金融機関と和解を結ぶことで、残りの利息や遅延損害金をカットしてもらう方法。
自己破産との違いは、債務整理をした後も返済が続くこと。
個人再生は裁判によって返済額を減らすのに対し、任意整理は和解交渉により返済額を減らす。

ネット上では、残高が残ってしまう過払い金請求は、「貸金業者と和解を結ぶことで残高を減らす行為」だから任意整理である、とする理論がとても多く見受けられます。
とてももっともらしい理論ですが、過払い金請求は「残高を減らす行為」ではなく、あくまで「払いすぎた利息を回収する行為」です。
回収した利息を元本の返済に充てるのは、通常通りの返済行為なので、任意整理ではありませんし、特別な手続きも不要です。

実際に、独自で信用情報機構のJICCに問い合わせて「残高の残る過払い金請求は任意整理扱いなのか」尋ねてみました。
JICCからの返答は、「過払い金請求は、返済中であっても完済後であっても信用情報には一切関係ありません」という内容のものでした。

過払い金請求は債務者の正当な権利ですので、ブラックリストに載ることはありませんから、返済中、完済後などのタイミングを気にする必要はありません。

弁護士に過払い金請求を頼む場合のメリット・デメリット

過払い金請求は、弁護士に依頼する方法と個人で行う方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
まずは、弁護士を介して過払い金請求を行う場合のメリット・デメリットをご紹介しましょう。

弁護士を介した過払い金請求の流れ・期間

弁護士と過払い金の請求額を決定した後、一般的に、まずは弁護士と貸金業者の間で和解交渉をします。
数回の交渉の後、双方の間で和解交渉が成立すれば、合意書を交わし、過払い金返還手続きに入ります。
和解交渉だけで解決する場合は、和解交渉から過払い金の返還までにかかる期間は約3ヶ月~半年です。

*和解交渉の期間を左右する材料

①貸金業者の資金力・対応力
②過払い金のうち何%を請求するのか
③弁護士の力量

和解交渉の期間を左右する材料としてまず重要なのは、請求先の業者の資金力・対応力です。
業績が安定しておらず、資金不足の業者との和解交渉はスムーズにはいきませんし、中小の貸金業者であれば対応速度も大手には劣るといえます。

また、利息制限法と照らし合わせて算出された過払い金のうち、何%を請求するかによっても、和解交渉にかかる期間は違ってきます。
もちろん、金額が少なければ少ないほど、貸金業者にとっては嬉しいのでその分対応も早くなります。
請求額が大きければ大きいほど、貸金業者は交渉を渋ります。

そしてもちろん、交渉をスムーズに進めるためには、弁護士の力量も関係します。
しかし、過払い金請求は基本的に個人でもできる簡単な交渉ですので、基本的には半年以内に完了するケースが多いでしょう。

和解交渉が成立せず、裁判となると、基本的に返還までに1年はかかると認識しておきましょう。
裁判が始まれば、裁判と平行して再度、和解交渉を行います。
和解交渉が成立すれば、合意書を交わし、成立しなければ、裁判所の判決を待つことになります。
仮に裁判に敗訴してしまった場合には、控訴、上告と裁判が長引き、過払い金の返還にはより長期間かかってしまいます。

しかし、過払い金に関する裁判となると、基本的に消費者側が有利な立場となりますから、貸金業者側もなるべく和解で済ませたいと思っています。
裁判までいくケースは、過払い金の請求額が大きいときか、先に申し上げた会社が倒産しているケースなどが多いでしょう。

弁護士に過払い金請求を頼んだ場合のメリットとデメリット

弁護士は法律のプロですから、個人で過払い金請求をする場合よりも効率よく手続きを済ませてくれます。
弁護士に過払い金請求を頼むメリットとしては以下のようなものです。

・返還金の額が高い
・契約書などの必要書類の調達が早い
・多くの場合、無料相談が受けられる
・プロに任せられるので何よりも楽

の4つがあげられます。
弁護士は、もちろん素人に比べ知識があるので交渉が有利に進められますから、個人で請求するよりも多く利息を返還してもらえる可能性が極めて高いです。
無料相談を受けられる弁護士事務所もありますから、相談してみて割りに合わなければ依頼を中断する、ということも可能です。
無料相談は、多くの場合、電話はメールからでも行うことができます。

また、返還交渉には用意するべき書類がありますが、依頼人が以下の書類を捨ててしまった場合には、貸金業者に頼んで再発行してもらわなければなりません。

*弁護士に過払い金請求を頼むための必要書類

・全取引の契約書
・取引明細書
・振込み明細書
・身分証明書

これらの書類は、身分証明書を除き、過去の取引履歴を確認したり、過払い金の見積もりを作成するために使います。
契約書や明細書の再発行手続きは、個人でするには約3ヶ月ほど時間がかかりますが、弁護士に依頼した場合はより早く再発行してもらえる可能性が高いです。
弁護士は法律のプロなので、一般の人から再発行手続きの要請を受けた時よりも、貸金業者としては身が引き締まるわけです。

一方で、弁護士に過払い金請求を頼むデメリットもあります。

・着手金や報酬を取られる
・任意整理となった場合、別途費用がかかる
・悪徳弁護士に騙される危険性がある

一般的に、着手金は過払い金請求額の5~8%、成功報酬は回収額の10%~20%と設定している事務所が多いようです。

例)着手金5%、成功報酬10%の場合
過払い金の請求額100万円の場合、着手金に5万円支払う
実際に80万円回収できたので、成功報酬として8万円支払う
結果として… 弁護士には13万円支払い、手元には72万円が返ってくる

最近では着手金0円をうたい文句にしている弁護士も多いですが、その場合は、着手金0円の変わりに成功報酬を多く設定しているといったケースもありますので注意が必要です。

また、弁護士の中には悪徳な者も存在します。
悪徳や詐欺の弁護士は、見積書を作らずに口頭で報酬の説明を行い、後ほど多額の報酬を請求したり、返還額を偽って報告することがあります。

そんな悪徳弁護士の被害を受けないためにも、

・事前に必ず見積書を受取る
・貸金業者との交渉中も、進展があれば逐一報告してもらう
・報告の際には、口頭ではなく、合意書や和解書などの書面で説明を受ける

この3点を心がけてください。

過払い金請求は弁護士と司法書士のどちらに頼むべきか

過払い金請求は弁護士の他に、司法書士に依頼することもできます。
司法書士と弁護士の違いは、行える業務の違いにあります。

*弁護士と司法書士の業務の違い

業務内容 弁護士 司法書士
訴訟額が140万円以下の裁判 行える 行える※認定司法書士のみ
訴訟額が140万円を超える裁判 行える 行えない

訴訟額が140万円以下の裁判は、簡易裁判所で行いますが、訴訟額が140万円を超える裁判は、地方裁判所で行います。
地方裁判所で訴えが否決されれば、舞台は高等裁判所、最高裁判所と移っていきます。

このうち、司法書士が依頼人の代理人となって争うことができるのは、簡易裁判所での裁判のみです。
しかも、簡易裁判所での裁判も、法務大臣の認定を受けた一部の司法書士しか行うことができません。
この、法務大臣の認定を受けた司法書士のことを「簡裁代理認定司法書士」といい、認定司法書士は必ず認定番号を所持しています。
過払い金請求を司法書士に依頼する場合には、その司法書士が簡易裁判を行えるのかどうかが、一つ大きな鍵になってきます。

とはいえ、過払い金請求は、資金力のある大手貸金業者への請求であれば、裁判においても和解交渉で決着が付く場合が多いです。
貸金業者の倒産や、高額の過払い金請求など、裁判が地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所と発展していきそうな難しいケースの場合には、弁護士に依頼することが安心でしょう。
しかし、現在も業務を継続している大手貸金業者への過払い金請求でしたら、弁護士に頼むのも、認定司法書士に頼むのも、そう違いはないといえます。

司法書士の信頼性は知名度では計れません

司法書士の品位向上と業務改善のために、「日本司法書士会連合会」という団体が、全国の司法書士のルールを定めました。
このルールは、司法書士の報酬指針などを定めたものです。
日本国内で司法書士の業務を行う者は、必ず日本司法書士会連合会の会員にならなければならず、会員になったものは連合会の定めるルールを指針に業務を行わなければなりません。

しかし、2016年2月に、過払い金請求の最大手である「司法書士法人新宿事務所」が、この報酬指針から大きく外れた報酬を依頼人からとっていたことが明らかになりました。

このように、知名度の高い最大手であっても、連合会の指針を無視した業務を行うことがあります。
悪徳弁護士に注意するのと同じように、司法書士に業務を依頼する際には、知名度だけでなく過去の業績などもきちんと比較することが大切です。
司法書士事務所の比較で一番おすすめの方法は、無料相談を受けてみて、説明は資料を見せながら行ってくれるか、報酬は相場と照らし合わせて的確であるか、などを比較されることです。

個人で過払い金請求する場合のメリット・デメリット

個人で過払い金請求する場合の手続きの流れは、弁護士に依頼するよりも多少大変です。

*個人で行う過払い金請求の流れ

①必要書類を揃える
②それをもとに過払い金計算シミュレーターで返還金の見積もり
③計算書を作成
④請求書と計算書を貸金業者に郵送
 和解↓成立 和解↓不成立
⑤返還金の受取り ④弁護士に相談・場合によっては裁判

個人で過払い金を請求する場合にも、弁護士に依頼する時と同じく必要書類を揃えなければなりません。

*個人で行う過払い金請求の必要書類

・全取引の契約書
・取引明細書
・振込み明細書

個人で過払い金請求をする場合には、身分証明書の用意は必要ありません。
契約書や明細書をきちんと保管している方であれば問題ありませんが、手元にない場合は、取り寄せるのに約3ヶ月ほど時間がかかります。

過払い金の計算自体は、ネット上に無料の計算シミュレーターがいくらでもあるので、それを利用すれば簡単に済ませることができます。
有料の計算ソフトなどもあり、そちらを利用した場合は計算書などをパソコンで簡単に作成することもできます。

計算書と請求書が完成すれば、後はそれを貸金業者に送るだけです。
過払い金がここまで世間に広まったこともあって、比較的、個人相手でも和解に応じてくれる金融機関もたくさんあります。

個人で過払い金請求を行う場合のメリットとしては返還金がすべて自分の手元に残る、この1点につきます。
弁護士に依頼した場合と違って、着手金や報酬を用意する必要がありません。

一方で、個人で過払い金請求を行う場合のデメリットは多く

・和解が成立せず裁判になった場合、どのみち弁護士に依頼する必要がある
・素人相手なので返還額を減額されることがある
・書類請求に時間がかかる
・家族にばれる可能性がある

といったことが心配されます。
弁護士とは違い一般人は法律についての知識が浅いため、知らず知らずのうちに貸金業者に上手く言いくるめられる可能性があります。
結果として、弁護士に頼む場合よりも返還金が少なくなれば、着手金や報酬などを差し引いても、個人で請求したほうが手元に返るお金が少なくなる恐れもあります。
そして、個人で貸金業者と交渉を行う場合、貸金業者からの書類は自宅に届きますので、その書類を通して家族に借金がバレる可能性もあります。

過払い金計算シミュレーターで返還金の見積もりをしてみて、金額が少なければ個人で手続きを行う、金額が多ければ専門家に任せる、という選択がおすすめです。

まとめ

過払い金返還請求は、個人でも比較的簡単にできる手続きになっています。
「法律に自身がない・・・」という人は、弁護士や司法書士に依頼すればプロが力になってくれるので安心です。

過払い金を請求してもブラックリストに載ることは決してありませんから、近々ローンを組む予定の方でも安心して請求できます。

過去に利息を払いすぎた覚えのある方は、見積もりだけでもされてみてはいかがでしょうか。

また、2006年以降、大手貸金業者ではグレーゾーン金利は採用していません。
今でもグレーゾーン金利を採用しているのは、「ヤミ金」と呼ばれる違法業者であり、そのような違法業者は「貸金業登録番号」によって見極めることができます。

今後お金を借りる予定の方は、高金利貸付におびえることなく、安心してキャッシングをご利用ください。

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